高台寺庭園

高台寺庭園について

「鷲峰山 高台寺」（じゅぶさんこうだいじ）は豊臣秀吉の正室である北政所（ねね）が秀吉を弔うために建立した寺院。開山堂をはじめ江戸時代より残る複数の建造物は国指定重要文化財となっており、小堀遠州により桃山時代に作庭されたとされる池泉回遊式庭園は国指定名勝および史跡となっています。同じく国指定名勝庭園のある『旧圓徳院』は高台寺の塔頭寺院。
古いスマホの時代に訪れた庭園は少しずつ再訪してるのですが、京都で再訪してなかった主な庭園が高台寺と平安神宮。2019年夏に5年ぶりに拝観！

高台寺の創建は1606年。その後1624年に臨済宗建仁寺派の寺院として現在の「高台寺」という寺名になりました。徳川家康は北政所に配慮し、建立にあたり多額の財政援助をしたため、伏見城の御殿の移築など当初は現在と比べても壮麗な境内をほこったそう。
その後の大火により現在残っている当時の建造物は表門、開山堂、観月台、そして高台にある霊屋と千利休の作とも伝わる茶室“傘亭”“時雨亭”の5棟。いずれも国指定重要文化財で、開山堂から“臥龍廊”で結ばれている霊屋には現在秀吉と共に北政所が祀られています。なお大きな方丈は近代に再建されたもの。

開山堂の周囲に広がる池泉回遊式庭園の作庭は桃山時代〜江戸時代初期、小堀遠州により作庭されたと伝わります。開山堂を中心に、秀吉遺愛の“観月台”のかかる偃月池（えんげつち）、“臥龍廊”のかかる臥龍池（がりょうち）とその中に浮かぶ大きな鶴島・亀島と石組により構成。北山安夫さんの解説によると臥龍池は遠州の作庭以前よりあったのでは、とのこと。

そして方丈の前に広がる枯山水庭園および、茶室「雲居庵」の前に広がる“竹風庭”の作庭・改修は北山安夫さんによるもの。先の遠州の庭園ともども東山の借景が美しいのですが、それと対比となる一面の白砂とその間を繋ぐ苔の上の三尊石組の組合せも見所。

今回訪れたタイミングでは百日紅がきれいだったのですが、高台寺は枝垂れ桜や萩の名所としても知られます。あとは近年はライトアップやプロジェックションマッピングも積極的に開催。また別の時期にも再訪したい！

（２０１４年12月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。）