
世界遺産の寺院に残る特別名勝・本願寺大書院庭園“虎溪の庭”と、京都三名閣“飛雲閣”の池泉回遊式庭園“滴翠園”。
西本願寺大書院庭園“虎溪の庭”と飛雲閣庭園“滴翠園”について
【通常非公開・時々特別拝観あり】
「西本願寺」(にしほんがんじ)は世界遺産“古都京都の文化財”に構成されている京都を代表する寺院。境内入って正面にのぞむ“御影堂”“阿弥陀堂”をはじめ多くの国宝を有し、金閣・銀閣と並んで“京の三名閣(京都三名閣)”と称される国宝“飛雲閣”の池泉回遊式庭園“滴翠園”が国指定名勝、同じく国宝の書院の庭園“虎溪の庭”が「本願寺大書院庭園」として国の特別名勝となっています。
2つの名勝庭園は通常非公開ですが、春(5月頃)や秋(10月頃)に不定期で特別拝観が催されます。これまで2016年10月の特別拝観と、2020年9月の特別拝観に参加。いずれも撮影は禁止だったので冒頭の飛雲閣のポストカードを撮ったもの…。
なお2019年春に2日間だけ行われた『飛雲閣修復現場特別公開』では飛雲閣の外観の撮影も可能だったみたいで。羨ましいー!
本願寺の歴史は鎌倉時代の1272年、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の娘・覚信尼が京都の東山に「大谷廟堂」を建立したことにはじまります(現在の「大谷本廟」は江戸時代に現在地に移転したもの)。
豊臣秀吉によって現在地へ移されたのは桃山時代の1591年(天正19年)、その後『東本願寺』の分裂もありつつも、西本願寺境内には江戸時代初期に建てられ400年以上の歴史ある建造物が数多く残ります(いずれも国宝の御影堂、書院、“日本最古の能舞台”と言われる北能舞台など)。
書院や庭園は通常非公開。特別拝観時には豪華絢爛な障壁画や欄間の彫刻が見られる書院内部はもちろん、庭園も撮影不可。ということで写真は西本願寺の公式サイトにて。ここでは二つの庭園のみ詳細を補足。
■飛雲閣庭園“滴翠園”
繰り返しになりますが金閣、銀閣と並び“京の三名閣”の一つと言われる楼閣建築。左右非対称のデザイン、かつ2階・3階の窓の絵柄の雰囲気がその格式高さを感じさせる一方で建築年代や誰が建てたかなどはまだ不明なんだそう(最初の認識は“豊臣秀吉が聚楽第に建立した遺構”という話だったけど、公式サイトには明記されていないのでまだ“諸説ある”状態)
その飛雲閣をうつす池泉回遊式庭園が“滴翠園”。池にかかる石橋は後から追加されたもので、当初から建物までは滄浪池の池中を船で移動していた(飛雲閣の足元には船着き場が残る)とされるので、その庭園も江戸時代初期に作庭されたものかな。いつか飛雲閣の内部の特別公開などがあるのならば、すごく高くても行きたい…。
■本願寺書院庭園“虎渓の庭”
そして国宝の書院に面するのが枯山水庭園“虎渓の庭”。桃山時代~江戸時代初期に中国の景勝地・廬山とその渓谷を表現し作庭された庭園。どこかで小堀遠州作庭と見聞きした記憶があるのだけど気のせいかも…。京都に残る江戸初期の枯山水庭園の中でもかなり大規模なことから、当時の本願寺の権力の大きさを感じさせる庭園です。
(2016年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
投稿者プロフィール
























