
京都御苑内に残る、藤原氏をルーツに持つ公家“五摂家”九条家が残した数寄屋風建築と池泉回遊式庭園“九條池”。
拾翠亭・九条邸跡庭園について
【営業日は木・金・土】
京都御苑の一番南側にある「拾翠亭」(しゅうすいてい)は、平安時代に栄華を誇った藤原氏をルーツに持ち、代々摂政・関白をつとめた“五摂家”の一つ・九条家(九條家)の邸宅の遺構。建物前に広がる“九條池”もかつて九条邸の庭園として作庭された庭園。
施設は木~土のみの公開ですが、九條池のまわりは自由に回遊することができます。2020年秋に久しぶりに建物も見学したので、その際の写真を更新。建物から池側に立っている木はサルスベリ。夏にはピンクの花を咲かせています。
平安時代後期以降、摂政・関白といった朝廷の要職を数多く輩出した公家・九条家。近代でも大正天皇の妃・節子(貞明皇后)さまも九条家の出身。数寄屋風書院造りのこの建物や庭園は江戸時代後期に造営されたもので、茶会や歌会など社交・遊興の場として用いられました。
建物から眺めるこの庭園はかつては東山連峰や大文字山を借景として取り入れていた――そうですが、現在は御苑内の樹木が高くなっているので、その隙間から見えるかな~というぐらい。それでも高欄越しに広大な池泉回遊式庭園を見下ろすロケーションからはかつての九条家の栄華を感じられます。
なお拾翠亭は一般の見学のほかに、茶室・歌会などの和カルチャー系のイベントで貸室利用もやってます。
また池のほとりに建つ小さなお社「厳島神社」の特徴的な唐破風の石鳥居は国の重要美術品に指定されている一方で、京都三珍鳥居の一つに挙げられます。
幕末には開国に向けた江戸幕府側と朝廷側の交渉の舞台にもなった九条邸。主屋などの建物の多くは、明治時代に東京への移住にともない移築され、この地に残るのは拾翠亭(と庭園・厳島神社)のみ――ですが、東京に移築された建物の一部が東京国立博物館(トーハク)内に移築されており、『九条館』という名で例年春期・秋期に期間限定で公開されています。併せてチェック!
(2018年3月・8月、2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京都市営地下鉄 丸太町駅より徒歩4分
京阪本線 神宮丸太町駅より徒歩12分
最寄りバス停は「烏丸丸太町」バス停下車 徒歩3分
〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑3 MAP
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